みんみん * ぞくぞく

最近めっきりおとろえた記憶の引き出しのために・・・民俗のフィールドワークの記録

フィールドワーク

  • 滋賀県栗東市大橋 三輪神社 春季例祭

5月3日に行われる、春の例祭。ここでは、鮒寿司の原型ともいわれている、ドジョウ寿司が神饌の特徴。このドジョウ寿司はナレ寿司といって、魚と米とで何ヶ月もおいて発酵させたものをさす。
仕込みは前年の9月25日である。当屋と呼ばれる当番宅で、親戚筋の人たちが手伝って行われる。この寿司作りは神饌といって神様へのお供え物を作っていることになるので、精進潔斎の意味もあり、寿司の作られている座敷には女性は立ち入り禁止。全て男性によって作られる。唯一閉経後の女性は手伝えるとされている。
樽の中に蓼をまぜた米、ドジョウ、ナマズを幾層にも重ねていく。仕込が終わると藁で覆い座敷の横の縁側の奥に安置する。
5月1日に口開けと称して、ドジョウ寿司のふたをあけ、できを確認する。
5月3日早朝より神饌の用意を行い、12時30頃三輪神社へと出立する。(上:写真)
神饌を供えてから、神事を行う。神楽舞の奉納もされ、直会という、神饌のおこぼれにあずかる、神との共食の場がもたれる。
その間、在所の人々は、タッパーを手に手に持ってきて、ドジョウ寿司を少しずついただいていくのである。
ドジョウ寿司は発酵食品だけあって、かなり独特のにおいを醸しだしています。お味のほうはチーズのような……後味にぴりりとくるような……しょっからいような。
川魚が苦手なんで、あんまり食べれなかったけど、地元の子供たちは美味しい美味しいとがつがつ食べているし、皆様楽しみにしてらっしゃるようでした。
もともとは、9月の堀の掃除(集落の中には用水路がいたるところにあり、水田にそそいでます)の時に、水田のほうにドジョウがいくと稲が育たなくなるから、ドジョウなどの川魚をあげて、そのまま仕込みに使っていたとのことでした。

  ドジョウ寿司の仕込み。(2005年秋)


  縁側に安置。(2005年秋)


  ドジョウ寿司。ドジョウは中にまざってて上はナマズの切り身で盛り付ける。


  子供はみんながつがつ食べている。