みんみん * ぞくぞく

最近めっきりおとろえた記憶の引き出しのために・・・民俗のフィールドワークの記録

フィールドワーク

  • 滋賀県守山市幸津川 下新川(しもにいかわ)神社 ケンケト祭 すし切り神事

国選無形民俗文化財
毎年5月5日に行われる。
豊城入彦命を村人が鮒寿司を献じてなぐさめたことがはじまりとされている。
氏子の1〜6番組の中から二組が担当し儀礼は行われる。このうちの1つ目の組からすし切り神事を執り行う若者が2名選ばれる。通過儀礼も兼ねられているようで、今年の2人の付き添いは同組の前回(6年前)すし切りを執り行った2名があてられていたようだ。
神職と自治会長が正面に座り、神事はその前で正午過ぎからはじまる。
若者は金箸と包丁だけを使って、まな板の上で古式にのっとり鮒寿司を切っていく。2人そろった動きで、まな板から寿司が落ちないよう慎重に行われていく。切る時は一度で切らねばならず、なかなか難しい*1のである。
もうひとつの当番組は前年のすし切り神事を担当した組で、神輿番として、かぶいた衣装で拝殿から若者にむかってやいやい野次を飛ばす。
三匹の鮒寿司を切り飾り、すし切り神事は終了する。
このあと、かんこの舞や長刀踊りが奉納され、神輿渡御が行われる。

   一所懸命切ってます。


   切られた鮒寿司


   全体の図。


  野次を飛ばす神輿番。「切れてるんか〜!」「ちゃんと教えたんかい!」「こぼすなよ〜!」とか。若者も苦笑い。観客も爆笑。

*1:なぜなら鮒寿司の骨が硬いのと、意外に皮が切りにくい。骨まで柔らかく鮒寿司を漬け込むとなると2・3年ものになる。