みんみん * ぞくぞく

最近めっきりおとろえた記憶の引き出しのために・・・民俗のフィールドワークの記録

フィールドワーク

以前は10月9・10日に行われていたけど、現在は体育の日の前の土日にあわせて宵宮と本祭が行われる。
大津市の天孫(四宮)神社の祭礼。京都の祇園祭のように曳山が出されてコンコンチキチンと鉦や笛の音も賑やかな祭である。
観客も地元の人ばかりなんで、結構身近に楽しめる。この祭がいつごろからのものかは詳しくはわからないようだが、寛永12年の記録では鍛冶屋町の塩屋治兵衛が狸の面をかぶり踊ったことで人々が集まり賑わった、と書かれている。
宵宮では曳山に提灯がかかげられ、夕方頃から21時まで賑やかに各曳山で囃子が熱演されている。
当日の朝籤改めが行われて、9:30天孫神社から曳山が出発する。途中御幣のさしてある場所では曳山にのせられているからくりが披露される。午前中は曳山の上では若衆が紋付黒の羽二重で囃子を奏じているが、午後からは一転、女物の衣装や真白のハッピに着替えて、歌舞伎者のように調子も賑やかにかわり「ぴーひゃらぴひゃら」とはやしたてながらクライマックスに向っていくのである。
もちろん祇園祭と同じで、その裏(こちらが本命だ!)では神輿渡御がしずしずと行われている。


  宵宮まっさかり!祇園祭より断然すいています……。


  町屋では曳山に飾られる見送り幕や、からくりの展示が行われている。他にも大津は円山応挙縁の土地でもあるので、応挙筆の屏風等も飾られ、格子ごしに眺めるのは楽しい。
これは月宮殿山の見送り幕。16世紀のトロイア陥落図のの一部で、京都祇園祭の白楽天山の前懸とともにかつては一枚のタペストリーであった。


  (2002年撮影)本祭。朝天孫神社前に集合した曳山。


  (2002年撮影)本祭。街中巡行。